イラストレーターの服部ともあき ナースの一言
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ナースの声の暴力の巻

ナースの声の暴力の巻

2009年8月は、園子が担当します。

最近とても衝撃をうけた本と出会い、自分の看護師10年間を振り返りながら、なんだか反省させられた本の一部を紹介します。


難聴になった高齢の方には、耳元で話せば聞こえる例が多いこと、ただ音量を大きくしても効果がないという事実は、この“プロの現場”では、ほとんど理解されていないようです。

私が高校生に物理の授業で教えた事を書きます。
「音のエネルギー(つまり耳に達する音圧)は、距離の2乗に比例して球面空間に拡散」します。

S=4πr2で、半径rが4倍になると、球の表面積のSは4の2乗=16倍になります。
逆に言えば4分の1の距離で話せば、耳に達する音の大きさ(音圧)は16倍になります。

そして、高音域の音は低音域のそれより聞き取りにくいという“事実”もあります。
まして高齢者は、片方の耳が聞こえ辛いというのも極く一般的です。
高校生だって聴力テストをすると、左右でずいぶん違うのです。

ここ4年の間に私たち2人で札幌と小樽の大病院に3度入院を経験し、患者の立場で、ナースたちの声の暴力に悩まされました。
「忙しければ大声を出す。患者にとってそれがうるさかろうと、そんなことにかまっているヒマはない」という雰囲気がありました。



この本を読みながら、病院で大声をはりあげてナース間で連絡をとりあっていたこと、高齢者=耳が聞こえずらいとの頭で最初から低い大きな声で話しかけを行っていたこと、もっと小さい声で話しかけてくださいとお願いされたことなどなど思い出しています。

自分の声が暴力になったり、ストレスを与えることがないように、話しかける言葉の内容だけでなく、音量や距離にも今後は気をつけていきたいと思います。
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©イラストレーター服部ともあき