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糖尿病と診断されたあの日の巻 |
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2008年12月は、保健師チップチが担当します。
「糖尿病と診断された時、どのようなお気持ちになりましたか?」
インタビューが始まります。
相手は、糖尿病から合併症を発症している、ある意味重症な糖尿病の人達です。
「まさか自分がと思ったよね、本当にね。そんなになるのかってね。病気になるとかってのは、無縁だったから。」
「うちの家族でも全然そんな人いなかったんで、糖尿病は違うんじゃないかって思ったんですけど。」
糖尿病と診断されて、なんで自分が糖尿病?
自分が糖尿病になるわけがないと、ほとんどの人が思います。
そう思っていても、どこかしら否定できない自分がいる…
もしかして…と、糖尿病になる心当たりを探します。
「毎日びっくりドンキー。カロリー高いですよね、肉だし。あれとかね、肉類が多いですね。それしか考えられないですよね。」
「普通の一般的な奥さんとはやっぱり違って、不摂生な、朝まで起きてたり、昼寝てまた朝まで起きてたりってこともあったし。」
みんな糖尿病の治療に必要な食事や運動についての指導を受け、その上で自分の生活を振り返り、あのことが悪かったのかもしれないと、自分なりの心当たりを見つけ出します。
多分、心当たりを見つけ出し、どうにか変えよう!と、ほとんどの人が考えたに違いありません。
でも…変えられなかったり、長続きしなかったり、結局は糖尿病の状態は改善せず、徐々に合併症が進行していきます。
何故変えられないのか?
それは、意志が弱いから?
「糖尿病は病気じゃない。病気じゃないって言ったらあれだけど、病気なんでしょうけど、そんな重い病気じゃないじゃないですか、見た目は普通ですよね。」
「(糖尿病を)意に介さなかったですね。治そうとしなかった、改善しようとしなかった。気持ちはあるんですよ。」
病気なのに、病気という気がしない…
糖尿病を気にしない…
一体どういうことだろう?
何故そんなふうに思うのだろう?
答えは言葉の中にありました。
「痛くないからね、この病気はね。どっか痛いとかっていうんだったらあれだけど、痛くないから、病院行って言われるのイヤだから我慢しようって人、結構いるんじゃないかな。」
「あんまり自覚がない、自覚がないからね、身体だるいとかさ、頭痛いとかさ、そんなのもないからね。」
簡単な話でした。
「糖尿病は痛くないから」
人は、頭が痛くなれば、鎮痛剤を内服し、熱があり、身体がだるければ、早めに休むなど、症状に対処しようとします。
しかし、糖尿病は自覚症状がほとんどないため、対処しようとする行動を起こしにくいのです。
(例えば、血糖値が上がることで、頭が痛くなるのなら、血糖値を下げようと努力するかもしれない)
実際には、糖尿病にも自覚症状はある。
しかし、すごく気になるほどの症状ではなく、病状が軽いうちは症状がないといってもいい程度。
そうだよね、な〜んにも悪いところ感じないのに、病気だって、糖尿病だって言われたってねぇ。
糖尿病という病識はあっても、糖尿病という病感がない
これが、糖尿病と診断されたときの気持ち。
つまり、意志が弱いから生活を変えられなかったのではなく、感覚として糖尿病を感じることができなかったから、できなかった。
ある意味…糖尿病の不幸はここから始まっているのかもしれません。
(2009年1月に続く…)
補足:中には変えられる人もいます。
そういう人達にインタビューをしていないので分からないのですが、ある程度の衝撃を受け、危機感を持つことができ、検査データなどからでも、身体に起こっていることだと感じることができる人なのではないかと思っています。
どこかで、病識を病感に転換できる人達が、うまく自己管理していける人達なのではないかと。 |
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