イラストレーターの服部ともあき ナースの一言
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針刺し事件簿の巻

針刺し事件簿の巻

2007年3月はマイコが担当します。

ナース9年目にとうとうやっちまった針刺し事故。
普段から比較的注意しているだけに本当にショックな出来事でした。

あたしがナースの卵の頃は、採血なんて素手でするのが当たり前で、今考えるとよく一回も刺さなかったなぁ〜とゾっとします。
ここ5年位で病院の針刺し感染対策も進み、採血は手袋装着で、刺した針はリキャップ禁止で、その針を捨てる「キーパーツー」ならぬ箱を持ち運ぶことが決まりとされています。

今回、なんと夜勤中にその「キーパーツー」を廊下に倒してしまい蓋が半開きであったために、落ちた針を焦って拾おうとした時に…

「ブスリッ!」
やっちまった…。

最悪なことにその針は色々な患者の針が入っている「キーパーツー」から飛ぶ出した代物で…誰の針かわからないのでありまして、感染者の針とみなして扱われる羽目になりました。

B型肝炎の抗体を持っていないあたしは、夜勤中にも関わらず「今までの人生でこんな痛い経験」がないほどの痛い注射を両ケツにブスリと刺されまして、泣く泣くおしりを抑えながらの夜勤となってしまいました。

以後感染の有無の確認とB型肝炎の抗体取得のために、毎月採血と3回の注射をかされ、やっと今月無感染と抗体取得と診断を得ました。

正直「針刺し」とした時「なんでここまでして働かなくてはならないのか?」と自暴自棄になりかけましたが、これは確実に自分自身のミスであり…逆に今まで感染に対しての自分の管理の甘さを痛感することになりました。

今日もナースは感染との恐怖の戦いの中、走り続けています。
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©イラストレーター服部ともあき